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年収ガイド その他職業 ヤクザ・暴力団のシノギ、収入源|資金の獲得方法とその仕事内容

ヤクザ・暴力団のシノギ、収入源|資金の獲得方法とその仕事内容

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暴力団・ヤクザのニュース・報道が流れる度に、テレビの中に映し出される「大きな邸宅」や「高級車」にため息をもらしている人も多い事だろう。

組長と呼ばれるの親分の邸宅はその街一番の大豪邸である事も珍しくないし、乗っている車も黒塗りの高級車ばかりだ。

最近では暴力団の羽振りが悪くなったという情勢も伝えられているが、1000万円を超える高級車がバンバン横付けされる状況を見るとそんな話は彼らの「自作自演のデマ」ではないかと、疑いたくもなる。

もちろん、非合法を生業としている彼らであるから、当然ながら一般人よりも稼ぎ出す金額が大きいことは容易に予想できる。

しかし、実際にはどのようにして彼らは資金を調達しているのだろうか?

元ヤクザへの取材や関連書籍などを参照して、その実態を調査してみることにした。

 

ヤクザ・暴力団のシノギ一覧

以下はヤクザのシノギ(稼ぎ方)の一覧である。

一般人にとってはほとんど関係のないものばかりだが、自分が被害に遭わないとは限らない。
「何か」があった時のために、知識を深めておくと良いだろう。

用心棒、ケツモチ

ヤクザの収入源としての一番は用心棒代。別名でケツモチ代とも言われる。
いわゆる「みかじめ料」として、月々一定額が要求される。

そもそもはトラブルがあった時に助ける「ケツ(尻)を持つ」事を意味していたが、現在では営業させて貰うために支払う「場代」(ショバ代)の様相が強くなっている。

料金は様々だが、合法の店舗ほど安く月1万円から、非合法の違法カジノともなると100万円単位での支払いになる。

特殊詐欺

ヤクザの資金源として一番勢いがあるのがこの「特殊詐欺」。
振り込め詐欺はヤクザの間では通称、「電話」と呼ばれている。

◇還付金詐欺
◇ワンクリック詐欺
◇架空請求詐欺
◇なりすまし詐欺(オレオレ詐欺)

ヤクザだけでなく、半グレと呼ばれる組織も好んで選択する資金源で、リスクの低さとリターンの高さが魅力の様だ。

これらの詐欺は基本的に飛ばし携帯(持ち主不明の携帯)と銀行口座(他人名義)があれば、日本全国どこからでも行う事ができる手軽さがある。

最近では海外(タイ)に拠点を置いた日本人詐欺集団が逮捕される事件も発生している。

しかも、現金の受け取り役など末端の人間以外はほとんど逮捕されることはない。
そもそも、末端の人間は上の人間に接触することが無く、誰の指示かもわかっていないのだ。

平成29年で約390億円もの資金が暴力団に流れている。

この数字の他に被害に気づいていない、届け出ていないものを加えると相当な被害が発生している事が予想される。

最近では、警察の尽力により、特殊詐欺の被害は減少傾向にあるが、詐欺行為を行う側の「演技力」も相当な水準にまで高まっているようで、いたちごっこの様相が続いている。

正業

グレーな業種がほとんどであるが、ヤクザも普通の会社を経営している。
実際に働いている人達はほとんどがカタギで、ヤクザはオーナーや上層部の人間だけであることがほとんど。

働いている職員もその実態を明確には知らない、知らされないことがほとんど。

ヤミ金融

正しくは「正業」ではないが、金融業もヤクザの代表的な収入源。
正規に借り入れができない人に対して、高額な金利で貸し付けて利益を得る。

不動産会社

都市部の賃貸物件の取扱い。
地上げ行為、競売物件の取扱いなどを行う。

土建屋、運送業

産廃処理業や道路工事、トラック運送業など。
一般企業が取り扱わないような、廃棄物やゴミを取り扱うことが多い。

キャバクラ、風俗店、デートクラブの経営

ヤクザのネットワークを活かして、女性スタッフを集める事ができる。
ただし、ヤクザ直営店とばれてしまうと女性が逃げてしまうため、様々な工夫が施されている。

人材派遣

工事現場、原発作業員などに人材を派遣する。
「人夫出し」とも呼ばれる。

通常の事務員など綺麗な仕事を斡旋するのではなく、ドヤ街などで、その日暮らしに近い底辺層の人達を担当する事が多い。

アリバイ代行会社

表に出せない仕事をしている人のために、その会社に働いている様に偽装する会社。
電話の取り次ぎ、在籍証明だけでなく、所得証明書類の発行や保証人の代行業も行う。
もちろん、それらの書類を発行することは私文書偽造罪になる。

債権回収

依頼人からの依頼に応じて、債権の回収を行う。
簡単に言えば、取り立て行為。

債権回収はやくざの威光を最大限に活用することができる、メインとなる仕事の1つ。

やくざに頼むほとんどの場合は、裏業界の取引など表に出せない事情があるか、「回収できない」と判断した時になるため、手数料は50%から最悪の場合、全額が持っていかれる事になる。

債権回収の妨害

上記の債権回収はヤクザの代表的な仕事の一つだが、逆に回収される側を守ることもある。

裏の世界ではタチの悪い半グレや暴力団員はもとより、カタギでも威力的な金貸しは数多く存在している。

借りた金を返済しない方が悪いことは明らかだが、暴力的な取り立てを防いだり、金額が少なくなるように交渉に介入することもある。

違法薬物売買

覚醒剤やマリファナなど違法薬物の売買は古くから暴力団の資金源とされている代表的なシノギといえる。

だが、人間を根本からダメにする薬物はたとえ稼ぐことができても、取り扱うことは任侠道に反するという理由から、意外なことにほとんどの暴力団で薬物の取扱は禁止されている。

中には、薬物のシノギをした者は破門処分になる組もある。

ではなぜ、暴力団は薬物を扱い続けているのか?

これはヤクザの不思議のひとつと言われているが、どうやら上層部はその事実を知ってはいるものの、黙認しているようなのだ。
このあたりの塩梅は不明なのだが、ヤクザ業界の暗黙の了解の様である。

おしぼり会社、観葉植物設置会社、酒の卸

店舗や企業におしぼりの配達や酒の卸、観葉植物の設置、絵画のリース、おつまみなど様々な商品を店舗に提供する。

要は「何か」を定期的に提供して、その対価として料金を搾取する構造だ。

暴力団のフロント企業が行うが、商品自体に原価や管理の手間がかからないため、利益をとりやすいうえに、企業側も経費として処理できるメリットがある。

みかじめ料を合法的にとるために、古くから行われている手法のひとつ。

携帯電話売買

携帯電話売買には大きく分けて2つある。

ひとつは、「良番」(良い番号)の買い取りと売買。

090-OOOO-9999
090-OOOO-8888

ぞろ目や語呂の良い番号など、覚えやすくインパクトのある電話番号を持ち主から買い取り、それを希望者に売却する。

富裕層や会社社長などは金に糸目をつけずに良い番号を欲しがる傾向にあり、良い番号だと数千万で売却されることもあるという。

ただし、現在ではこの良番買い取りのサイクルが一周したこともあり、下火になっているようだ。

ふたつめは、「飛ばし携帯」の売買。

通称「飛ばし」と呼ばれる。
飛ばし携帯とは、持ち主不明の携帯電話をつくりだすこと。

架空の身分証明書を使用したり、生活困窮者やホームレスに契約をさせて携帯電話を手に入れる。

このような持ち主不明の携帯は主に犯罪行為やアウトローの人間によって使用される。

仮に携帯電話の番号が知られてしまったとしても、本人にはたどりつけないため、裏の人間が好んで使用している。
※そもそも暴力団員は携帯電話を契約できない。

振り込め詐欺に使用されるほとんどがこの飛ばし携帯である。

賭博

裏カジノの経営や野球賭博、ノミ屋。
賭場系のシノギも古くから行われてきた伝統的なシノギ。

新宿歌舞伎町や大阪ミナミでは、非合法のカジノが存在している。

ヤクザが経営に参画している時もあれば、ケツモチとして関わっているだけなど、様々なケースがある。

自動車窃盗

最近では外国人による犯罪が増加しているが、自動車窃盗も古くからあるヤクザの収入源である。

盗難した自動車は裏ルートを通じて主にアジアやアフリカなどに転売することになる。

防犯カメラの普及やセキュリティの向上があり、日本人にとっては、コストとリスクのバランスが合いにくくなっているという。

コピー商品のインターネット売買

中国などから仕入れたコピー商品をインターネットで販売する。

正規DVDのコピーDVD、コピーされたパソコンソフトなども販売している。

大々的にしてしまうと摘発されてしまうため、適度に売上を上げた後はサイトを変更するなど小さく商売をするケースが多い。

ダフ屋

現在では取り締まりが厳しくなってきたため下火になっているが、かつては東京ドームの巨人戦や有名歌手のライブ会場には必ずと言っていいほどダフ屋が出現していた。

最盛期には有名イベントを担当する広告代理店の人間を口説き落として、そこから大量にチケットを入手するなど荒技を駆使して資金源としていたが、転売禁止処置や電子チケットの導入などの影響で、現在では活動自体が難しくなっている。

密漁

深夜に船を出して、ナマコやカニなどを密漁する。
販売ルートがないと、成立しない。

息のかかった漁師に取りにいかせる事もあるが、直接、本人が取りに行くこともある。

夜の漁は専門の漁師でも危険なものだが、シノギのために背に腹はかえられないようだ。
不幸にも作業中に船から落ちて、亡くなってしまうケースもある。
※密漁なので捜索は依頼できない。

その他には、収穫間際のリンゴやぶどうを畑から盗難・転売する事もある。

アダルトサイト・レンタルサーバーの運営

◇アダルトサイト運営

アダルト業界は古くから裏稼業との繋がりが強い。
そのルートを利用してアダルトサイトを運営する。

◇レンタルサーバーの運営

暴力団の息のかかった企業が中小企業や個人などのHPを運営する。
サーバー運営自体はそれほど知識が必要ないため、サーバー代金として企業から毎月決まった金額を上納させる口実となる。

ウェブサイトも運営され、それに必要な資金を支払っているだけなので、法律上は全く問題は無い。

2019年1月には、暴力団員がLINEスタンプの販売を行っているというニュースもあった。
定期的にスタンプを発行して、その度に購入させればみかじめ料として徴収できると考えたようだ。
目の付け所が鋭く、ある意味では感心できるニュースである。

興行

かつては芸能事務所の経営者は裏の人間がなる事が多く、芸能界や格闘技などのイベント団体と暴力団のつながりは根深い。
※そもそも現在のようにクリーンな業界ではなかった。

それらの縁から各地でイベントを行う際には、当地の暴力団に取り仕切りを依頼する事も多かった。

イベントやコンサートチケットがだぶついた時などは、地元のヤクザに依頼して関係者に捌いてもらうなど、芸能界とヤクザの密接な関係は公然の事実として存在していたのだ。

一世を風靡した格闘技団体「PRIDE」と暴力団との関係が明るみになり、解散に追い込まれた事件もあったが、まだまだ氷山の一角で芸能界とヤクザとの関係は存在し続けているだろう。

なぜ、ヤクザのみかじめ料やその他のシノギが成立するのか?

仮にヤクザに金を払えと言われても、その時点で警察に頼るなり抵抗する行動をとれば、ヤクザも手を出せないのではないだろうか?

暴対法が強烈に作用していることもあり、もしその事実が認められると懲役送りになることもある。
そのため、実際に警察に泣きつかれた場合はヤクザはピタリと要求を辞めるという。

では、なぜそのような状況にも関わらず、金を支払い続けるのだろうか?

ヤクザと付き合いがある人は脛に傷ある人

そもそも、ヤクザと付き合いがある人は脛に傷のある人が多い。

土木関係、不動産、夜のお店、風俗店、違法店舗の関係者など、一筋縄ではいきにくいトラブルの多い業種で働いている人がほとんどだ。

そういう業種では警察や弁護士などでは解決できないトラブルが腐るほど存在している。

警察に頼んだところで民事不介入が関の山。
また、一般人の依頼なら対応する事もあるが、ややこしい人間の問題には警察は極めて消極的だ。

そもそも自身に問題がある場合も多いので、警察という選択肢自体が選びにくい。

弁護士が裁判に訴えたところで解決するとは限らず、所詮もらえるのは「勝訴」と書いた紙切れ一枚。
そんなものを貰ったところで、法の抜け穴に精通したグレーやブラックの人間に通じるわけがなく、結局は弁護士費用と時間を奪われて、泣き寝入りするだけなのだ。

となると、最終的には「暴力団」に金を払って、トラブルを解決して貰うという選択肢しかとれなくなるのだ。

ヤクザはためになる事もしてくれる存在

暴力団・ヤクザと聞くと血も涙もない冷血な集団のイメージがあるが、悪いことだけをしているわけではない。

正攻法では解決できないトラブルでも、出張水道屋のように迅速に解決してくれることもある。

◇クラブやホストクラブの売掛金回収

売掛けを支払わずに「飛んだ」客から売掛金を回収する。
回収に成功した場合は代金の半分、もしくは全部がヤクザ側の取り分。
※取り立てに失敗する場合もある。

全部とられてしまうと依頼側の利益は無いように思えるが、タダで逃げられるよりはマシと考える人も多い。

◇クレーマー客の処理

追加費用が取られてしまうため、店側も滅多に要請はしないが、キャバクラや風俗店などで暴れたり、傍若無人な振る舞いをした人間を詰める。

客の状態が極度に酷い場合や相手が暴力団関係者の時などに活躍?する。

◇露天商の取りまとめ

露天商(テキヤ)での、様々な取りまとめや用心棒として場の治安を守る。
仕切る人間、トラブルから守ってくれる人間がいることで露天商がうまく運営できる。
職場を転々とする露天商では、上に立つ人がいないと現場がうまく回らないのだという。

運営を任せる意味で用心棒代を暴力団に上納しているケースが多い(多かった)。
※現在では暴力団排除の方向に進んでいる。

ヤクザもただお金をとるだけでは成立することはない

完全に嫌われてしまえば、流石のヤクザも廃業せざるを得なくなる。

それが非合法であれ合法であれ、誰かの利益になり、何かしらの役に立っているから存在しているのである。

誰もが届きにくいポジションをうまく立ち回っているのが、暴力団なのだ。

一番面倒な「つきあい」

ヤクザとの関わりで一番面倒なのは「つきあい」。

例えば、上記で紹介したようなトラブルのために、ヤクザに依頼したとする。
そして、ヤクザのおかげで金はかかったが、解決して事なきを得た。

 

ありがとう。助かったよ。
じゃあ、また何かあれば。

と、単純に行くはずはない。

ヤクザに依頼した以上、その一件だけでは終わらないし、終わらせない。

そこでヤクザは、

ヤクザ

トラブルを解決できた。
これからも似たような事があれば必ず助ける。
その代わり、みかじめ料を毎月支払ってくれ。

と言い出すのだ。

こちらから縁を切ろうとしても、そう簡単にはいかない。
仮に毎月の支払いを逃れたとしても

ヤクザ

「オヤジの誕生日だから・・」
「アニキの出所で・・」

など、何かに理由をつけて、金をせびられることになる。

言われた側もトラブルを解決してもらった恩がある以上、無下にはしにくい。

また、「ヤクザに依頼をしてトラブルを解決した」という噂を広められてしまうと、このご時世だけに取引先との商売に影響が出る可能性もある。

結局はそのまま、何かにつけて金を吸い取られていくだけの関係が延々と続いていく事になる。

警察が盛んにヤクザ・反社会的団体を利用してはいけない。

という理由はここなのだ。
特に金を持っていると判断されれば、骨の髄までしゃぶりとられてしまうだろう。

都合の良いときに利用しているつもりが、最終的には身ぐるみを剥がされていたという話も珍しいものではない。

痛い目に遭うのが嫌ならば、彼らとはどんな形であれ近づかない事が最善だろう。

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