このエントリーをはてなブックマークに追加

年収ガイド年収マガジン > 職業・資格別年収ランキング職業 > 非正規公務員の年収 ボーナスや割合の現状について解説

非正規公務員の年収 ボーナスや割合の現状について解説

2021年08月04日 2021年08月07日 351 職業

非正規公務員とは国や地方自治体で働く非常勤や臨時職員の総称で、理解しやすく言えば、「国や地方自治体などが雇用した公的施設で働くアルバイト」です。

正規と同様に近い仕事を担当しているにも関わらず、支給される賃金に大きな差が付けられている現状に対して待遇改善を求める声が高まっています。

非正規公務員の待遇はどのようなものなのか?
非正規公務員の収入や取り巻く環境について解説します。

 

非正規公務員の年収

就業構造基本調査より、非正規公務員の所得分布を算出いたしました。

階級 正規(男) 正規(女) 非正規(男) 非正規(女)
50万円未満0.104%0.593%7.513%9.760%
50~99万円0.117%0.142%9.326%19.409%
100~149万円0.247%1.021%15.803%27.911%
150~199万円0.850%1.685%21.503%19.372%
200~249万円3.200%6.290%21.416%13.420%
250~299万円4.108%6.741%8.463%4.621%
300~399万円11.676%20.176%10.535%4.732%
400~499万円13.759%19.867%2.073%0.407%
500~599万円17.900%18.300%3.195%0.296%
600~699万円16.180%13.601%
700~799万円15.868%6.551%
800~899万円8.755%2.350%
900~999万円4.232%1.567%
1000~1249万円2.408%0.878%
1250~1499万円0.208%0.024%
1500万円以上0.188%0.047%
100% 100% 100% 100%

中央値を上記データから算出すると

正規公務員(男性):588万9944円
正規公務員(女性):467万1867円
非正規公務員(男性):190万3720円
非正規公務員(女性):137万3163円

という結果になり、非正規は正規の3分の1程度の給与しか支給されていないことがわかります。

正規公務員の地位が高いことを考慮しても、3倍もの収入差はあまりにも残酷と言わざるを得ません。
まさに官製ワーキングプアといわれる根幹がここに存在しています。

ただし、非正規はパートタイムが多く、正規と同様の労働時間はではないため一概には比較はできません。

非正規公務員 都道府県別年収

北海道139万2868円青森県129万6828円岩手県147万5046円
宮城県133万6458円秋田県129万6855円山形県143万7443円
福島県164万4210円茨城県134万5092円栃木県167万1811円
群馬県147万5247円埼玉県137万2785円千葉県157万1519円
東京都163万8269円神奈川県184万447円新潟県148万5389円
富山県131万2523円石川県161万3630円福井県150万円
山梨県166万6799円長野県137万4893円岐阜県134万9999円
静岡県148万7447円愛知県135万8881円三重県148万6956円
滋賀県156万2684円京都府157万1428円大阪府142万1078円
兵庫県186万6514円奈良県155万182円和歌山県145万8359円
鳥取県168万1871円岡山県171万7311円広島県141万6497円
山口県140万4714円徳島県170万4622円香川県172万7288円
愛媛県162万4940円高知県177万2687円福岡県157万1291円
佐賀県159万3832円長崎県147万9097円熊本県132万9461円
大分県156万6588円宮崎県144万4444円鹿児島県115万8913円
沖縄県165万2454円

非正規公務員の都道府県別年収状況です。※中央値

概ね150万円前後の水準で東京や大阪の大都市でも100万円台後半がやっとの状況です。

勤務時間の短い職員が多くはなっていますが、収入状況はフリーターに近いものがあります。

非正規公務員 職種別の時給一覧

総年収では労働時間による差が発生してしまうため、時給で比較してみましょう。

職種 時給
事務所所職員 990円
給食調理員 1014円
保育所保育士 1156円
教員講師 1583円

総務省発表資料に掲載されている職種別の時給一覧です。
「公務員」とは名ばかりで、金額はほとんど普通のアルバイトと変わりません。

一方、正規公務員の平均年収は

ですから、時給に換算すると2500円以上にはなり、約2.5倍程度の給与差。
総年収だけでなく時給に関しても大きな差があることが確認できます。

ボーナス

かつては法律上の問題で非正規職員には期末手当(ボーナス)を支給する事できませんでしたが、地方自治法などが改正され、2020年からは期末手当が支給できるようになりました。

ただし、そのボーナス分の財源が増えたわけではなく自治体の人件費総額は変わりません。

そのため、非正規職員の勤務時間を減らしたり、月給を2万円程度下げるなどしてボーナス分を捻出するという苦し紛れの対応が全国の自治体で行われています。

ボーナスは支給されるようになったものの、結果としては同じ年収か若干のアップに留まっています。

手当

正規職員であれば、地域手当や管理職手当など実に多くの手当が支給されますが、非正規職員の場合は基本的な手当である時間外手当や通勤手当のみ。

コロナで休業を余儀なくされた非正規職員に対して、自治体からの休業手当が支給されないケースが多くを占めるなど、十分な待遇は用意されていません。

採用

非正規公務員の名称は主に3種類。

非正規公務員の名称◆会計年度任用職員(62万2306人:89.6%)
◆特別職非常勤職員(6万8498人:9.9%)
◆臨時的任用職員(3669人:0.5%)

上記のいずれかで雇用されることがほとんどで、名称こそ異なりますが立場としては同等に近くになります。

一般的な非正規職員は会計年度任用職員として働くことが多く、約9割を占めます。

正規職員の場合は必ず公務員試験に合格する必要がありますが、非正規公務員の採用は軽い筆記試験や面接・書類審査が中心で、公務員試験ほどの重厚なものではありません。

非正規から正規の公務員になれる?

正規の公務員として働くには、公平な公務員試験の合格・採用が原則という考えがあるため、2021年現在では、非正規公務員から「昇進・登用」して正規公務員になるルートは存在していません。※例外を除く

たとえ何年経験を積んだとしても、非正規で採用されている限りは永遠に非正規の立場で働き続けることになります。

非正規公務員の割合

国家公務員の非正規公務員の割合

「一般職国家公務員在職状況統計」より、国の行政機関の非正規公務員の割合は以下のとおりです。

正規 非正規 割合
2017年 265805人 78015人 22.7%
2016年 265833人 77269人 22.5%
2012年 267645人 70029人 20.7%

国家公務員は正規職員26.5万人余に対して非正規職員は7.8万人余りで正規職員との合計34.4万人に対する非正規率は22.7%となっています。

非正規の割合が2012年からわずか5年で約2%も上昇しており、国の財政事情を鑑みるとこの傾向は今後も続いていくと予想されています。

省庁別にみると厚生労働省は半数以上が非正規の人材で成り立っています。

50%以上というのは異常な数字と言えますが、公共職業安定所(ハローワーク)などの相談員が非常勤化されていることが大きな原因で、非正規職員なしには仕事が回らないシステムになっています。

地方公務員の非正規公務員の割合

総務省発表の職員実態調査より。

総数 正規 非正規 割合
2020年 276万2020人 206万7547人 69万4473人 25.1%
2016年 273万7263人 209万4123人 64万3131人 23.4%

地方公務員は総数276万人に対して、非正規が69万人とその割合は25%超。

国家公務員よりも非正規化の傾向が強く、年々、非正規の割合が増加中です。
地方財政の困窮がこのような事態をつくる起因となっています。

非正規公務員は先がない

非正規から正規になるルートはこれからも創設されることはありません。

その大きな理由は2つあります。

①公務員試験に合格していない人物が公務員になることはできない

正規公務員として働いている人は相応の試験を突破してきた人たちばかりです。

いくら非正規職員が頑張っているからと言っても、その試験を経ずに正規に昇格させることは制度的にも感情的にも難しいのが実情なのです。

②国や自治体はどこも財政難

国や自治体は厳しい財政難の中、人件費抑制のために「非正規公務員」を生み出しました。

非正規公務員、官製ワーキングプアが問題視されているとはいえ、財政が回復していない自治体では人件費増加を許容できません。

国は非正規に対する待遇改善を自治体に指示してはいますが、改善するだけの財源がなく八方塞がりの状態といえます。

他の220職種の
職業・資格 年収ランキングを見る
この記事を書いた人
年収ガイド運営チーム

様々な専門知識を持ったスペシャリストチーム。
金融・人材系の知識が強い。