様々な専門知識を持ったスペシャリストチーム。
金融・人材系の知識が強い。
W杯やJリーグなどで華々しく活躍するサッカー選手。
いつの時代も男の子の憧れの職業であり続けています。
日本のプロサッカーにもいくつかのリーグカテゴリがあり、所属するカテゴリによって大きな待遇差が存在しています。
そんなプロサッカー選手(Jリーガー)のカテゴリ別待遇格差を解説します。
J1・J2・J3・JFLの待遇差
まずは予算規模から確認してみましょう。
人件費平均と営業収益(売上)の平均を比較してみます。
※Jリーグ開示資料より2019年分。
人件費平均 | 営業収益平均 | ||
J1 | 25億円 | 49億5100万円 | |
J2 | 7億6500万円 | 16億5500万円 | |
J3 | 1億6900万円 | 4億6400万円 |
J1とそれ以下では、人件費、営業収益ともに大きく差が開いており、J2で約3分の1、J3ともなると10分の1まで予算規模が小さくなります。
J1・J2・J3の人件費ランキング
順位 | クラブ | 人件費 |
1 | 神戸(J1) | 69億2300万円 |
2 | 名古屋(J1) | 39億7300万円 |
3 | 浦和(J1) | 32億2800万円 |
4 | 川崎(J1) | 29億5800万円 |
5 | 柏(J2) | 29億4000万円 |
6 | 鹿島(J1) | 29億3600万円 |
7 | FC東京(J1) | 27億3600万円 |
8 | 横浜FM(J1) | 26億8400万円 |
9 | 鳥栖(J1) | 25億2800万円 |
10 | G大阪(J1) | 24億3400万円 |
11 | C大阪(J1) | 24億600万円 |
12 | 磐田(J1) | 19億9500万円 |
13 | 広島(J1) | 19億3100万円 |
14 | 清水(J1) | 17億2900万円 |
15 | 札幌(J1) | 16億9800万円 |
16 | 大宮(J2) | 15億4700万円 |
17 | 松本(J1) | 14億3000万円 |
18 | 仙台(J1) | 12億9600万円 |
19 | 湘南(J1) | 12億6300万円 |
20 | 千葉(J2) | 11億5300万円 |
21 | 長崎(J2) | 10億2900万円 |
22 | 横浜FC(J2) | 9億1600万円 |
23 | 京都(J2) | 8億9500万円 |
24 | 徳島(J2) | 8億9200万円 |
25 | 大分(J1) | 8億6000万円 |
26 | 福岡(J2) | 7億8400万円 |
27 | 新潟(J2) | 7億2200万円 |
28 | 東京V(J2) | 7億1300万円 |
29 | 甲府(J2) | 7億700万円 |
30 | 岡山(J2) | 6億3400万円 |
31 | 山形(J2) | 5億4900万円 |
32 | 山口(J2) | 5億2700万円 |
33 | 岐阜(J2) | 4億6100万円 |
34 | 愛媛(J2) | 4億600万円 |
35 | 町田(J2) | 4億200万円 |
36 | 栃木(J2) | 3億6500万円 |
37 | 水戸(J2) | 3億2100万円 |
38 | 金沢(J2) | 3億1100万円 |
39 | 熊本(J3) | 3億1000万円 |
40 | 鹿児島(J2) | 2億9600万円 |
41 | 長野(J3) | 2億9400万円 |
42 | 讃岐(J3) | 2億6300万円 |
43 | 琉球(J2) | 2億5200万円 |
44 | 北九州(J3) | 2億5000万円 |
45 | 富山(J3) | 2億円 |
46 | 群馬(J3) | 1億8400万円 |
47 | 藤枝(J3) | 1億6400万円 |
48 | 秋田(J3) | 1億6100万円 |
49 | 福島(J3) | 1億2400万円 |
50 | 相模原(J3) | 1億2100万円 |
51 | 沼津(J3) | 1億1600万円 |
52 | 岩手(J3) | 1億1400万円 |
53 | 鳥取(J3) | 1億1400万円 |
54 | 八戸(J3) | 8100万円 |
55 | YS横浜(J3) | 3200万円 |
ランキング上位をJ1チームが占める当たり前の結果になっており、人件費の額と強さがほぼ比例関係にあることが見て取れます。
J1は10億円を超えるチームがほとんどで、上位争いをしているチームにもなると軒並み30億円以上の人件費を計上しています。
J3のほとんどのチームが人件費2億円以下ですから、選手に対して十分なプロ契約が用意できないのも仕方のない状況です。
平均年俸
J1の平均年俸
2020年のJ1リーグの平均年俸は3446万円でした。
年俸ランキングのトップはイニエスタ選手(ヴィッセル神戸)の32億5000万円。
いわゆる一般に想像するプロサッカー選手。
J1のレギュラークラスの選手であれば、高級車も問題なく購入することができます。
J2の平均年俸
平均的な会社員と同水準の平均年収400万円~500万円程度。
J1を目指せるチームかどうかで年俸は大きく異なります。
J3・JFL・地域リーグの平均年俸
サッカースクールのコーチやアルバイトなどを含めて生活できる程度。
JFL以下になるとがっつりフルタイムで働きながらプレーし続けている選手も多く、華々しいプロサッカー選手のイメージとは程遠い経済状況。
様々な待遇差
グラブハウスやグランドなど
J1リーグのチームは全てのチームがクラブハウスと立派なホームグラウンドを持っています。
練習場も天然芝が整備されており、ビッグクラブであれば何面ものグラウンドが用意されています。
J2以下のチームになるとクラブハウスはおろか、自前の練習グラウンドを持っていないチームもあります。
そのようなチームは行政などが管理するグラウンドを借りて練習を行います。
状況次第では天然芝ではなく、足腰に負担のかかりやすい人工芝のグラウンドで練習を行うこともあります。
また、クラブハウスが無いために更衣室やシャワールームが満足に使用できなかったりと環境面が高校や大学と大差のないチームも存在しています。
移動手段
新幹線で移動する場合、J1であれば基本的にはグリーン車を利用しますが、J2だと指定席、J3以下だと自由席になることもあるようです。
ホテル
J1であればスタジアムから近い一定レベル以上のホテルが用意されますが、それ以下のカテゴリの場合は一般的なビジネスホテルなども利用されるようになります。
その他
J1であれば用具の管理はホペイロと呼ばれる用具係が担当してくれるため、自分で管理する必要はありません。
また、フィジカルトレーニングや栄養面などあらゆる専門家のサポート体制が確立されており、サッカーのプレーに集中するだけの環境が整えられています。
しかし、下のカテゴリになればなるほど専門のスタッフを招聘する余裕がないため、ユニホームの洗濯や用具の管理などプレー以外の雑用も選手が請け負う事になります。
プロ契約でも十分な生活ができるわけではない
J3やJFLの場合、プロ契約を結んでいたとしてもその年俸がアルバイトレベルの場合もあります。
「プロ契約」といえば聞こえは良いかもしれませんが、下部リーグの場合はアマチュア契約に近いプロ選手も少なくありません。
勝利給について
プロサッカーでは試合に勝つ毎に勝利給が支給されますが、その金額はチームの経済力によって左右されます。
J2リーグ:数万円~数十万円程度
J3やJFLに関してはJ2リーグよりも更に小額の勝利給になります。
勝利給の上乗せも
基本的には定められた一定金額が支給されるものですが、入れ替え戦や優勝争いなど重要な試合に際してはその金額が大きく上乗せされることもあります。
勝利給を上乗せする事によって、選手の士気を高揚させる狙いがあります。
通常の勝利給:10万円 → 勝てば優勝の場合、勝利給20万円にアップ
海外の場合
日本では年俸1億でトップクラスですが、海外(ヨーロッパ)の場合はその10倍以上の年俸がトップ選手に支払われています。
勝利給も桁違いで日本では勝利給100万円が精一杯ですが、ヨーロッパの場合はその数倍。
試合の出場給・勝利給などを含めると1試合で1000万円近く支給されるチームもあります。
J1からJ2に降格した場合はどうなるのか?
カテゴリが下がることで観客動員や営業収益は大きく落ち込んでしまうため、J1からJ2に降格した場合は年俸はもちろんのこと、ホテルのグレードから勝利給までありとあらゆる待遇が低下します。
降格時には早期のJ1復帰をすべく、赤字覚悟で待遇を維持するケースもありますが、待遇面ではJ1とJ2では明確な差があります。
選手はより高いレベルのリーグに所属して活躍したいと考えているため、下位のカテゴリ(J2以下)のチームは良い選手の獲得が難しくなり、どんどんと有力選手が移籍してチームの弱体化が進んでいく事になります。
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