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眞子さまと小室圭さんとの結婚報道が加熱した結果、悪い意味で結婚一時金についても言及されることが増加していると感じられます。
テレビや雑誌で極度に強調された「結婚一時金の金額」を知っている人は多いかと思いますが、支給される理由や意味については理解していない人がほとんどです。
「なぜこのような制度が存在するのか?」
その意味を知れば、批判されるべきものではないことが理解できるかと思います。
その数字の大きさから誤解されることの多い、結婚一時金制度について解説します。
結婚一時金とは
皇室を離れる皇族に対しては、「皇室経済会議で定めた額の一時金を支給する」と皇室経済法(皇室の財務に関する法律)に規定されています。
女性皇族が結婚で皇族を離脱する時や男子皇族が宮家をたてる際にも支払われます。
結婚一時金はどのように決められるのか
宮内庁側から金額の提案が行われ、その金額を皇室経済会議で承認する形で結婚一時金は定められます。
一時金の金額は皇族が決めるのでは無く、法律で規定されています。
結婚一時金の原資
国民の税金から賄われます。
ちなみに、結婚の費用は眞子さま(内廷費)と小室さんとで折半することになっています。
どうしてそのような高額な費用が必要なのか

サラリーマンの生涯年収にも近い金額が支給されるのは「皇室であった者の品位を保つため」との規定からですが、それ以外にも様々な事情があります。
皇族を離れた後も皇族との付き合いがある
皇族を離れた後も元皇族としての活動は少なからず続き、一般人と同様の生活ができるわけではありません。
式典や外交パーティーに出席することもあり、それ相応の身なりを整える必要があります。
セキュリティの整った住居に住む必要がある
皇族の方々がどこかにお出かけされる際には必ずSPが同行し、身の安全を確保しながら行動されています。
そのような立場にあった人が皇族を離れたからといって、普通のマンションに住むことは不可能で、セキュリティの完備された居住地を選択しなければなりません。
親からの援助はない
何か金銭的な問題が発生した場合、一般人であれば両親に相談して援助をしてもらうことも可能ですが、眞子さまの場合、秋篠宮家から援助を受けることは法律によりできません。
皇室の財産には制限があり、皇族を離れた人対して金銭的な援助は出来ない規定になっています。
皇族から「一般人」になると、金銭面に関しては天涯孤独な状況になってしまうのです。
皇族の方を迎え入れられるだけの収入を持つ一般男性は、ほぼ存在していない
結婚適齢期の男性、20代後半から30代の男性で皇族の方を迎え入れられるだけの収入がある人は日本には、ほぼ存在していません。
年収の割合分布
https://www.nenshuu.net/salary/contents/kaikyuu.php
未婚者の平均年収
https://www.nenshuu.net/magazine/pages.php?pages_id=71
その年代で十分な年収と一時金と同額の資産1億円以上もある人など皆無と言っても良いくらいで、そのような人限定でしか結婚できないとなると皇族の方はいつまでたっても結婚する事ができません。
結婚を望む二人がより円滑に事をすすめることが出来るよう、一時金の支給が男性側・女性側両方の負担軽減にもなっています。
眞子さまの結婚一時金の金額は?
結婚一時金の金額は皇室経済法施行法で規定されている定額(3050万円)から、限度額が定めされています。
内親王
定額x0.5x10=1億5250万円
女王
定額x0.7x0.5x10=1億675万円
これまでの例に従えば、眞子さまは内親王にあたるため1億5250万円が支払われる予定です。
法律上の上限は1億5250万円ですが、天皇の孫にあたる内親王の結婚では上限額の1割減という先例があり、その先例が踏襲されるのであれば、1億4000万円程度になる可能性もあります。
ただ、眞子さまの場合は将来の天皇の長女、天皇の姉という立場になることから、上限額の1億5250万円が支払われる可能性もあります
また、将来的にご結婚されるであろう佳子さまも同様になります。
結婚一時金 | |
黒田清子さん | 1億5250万円 |
千家典子さん | 1億675万円 |
守谷絢子さん | 1億675万円 |
眞子さま | 1億4000万円~1億5250万円? |
結婚一時金はいつ支給されるのか
結婚後、数日後には本人の銀行口座に振り込まれます。
これほど早く支給されるのは、住居の選定などに対応するためだと思われます。
使途は自由
一時金の使途に関しては特別な規定はありません。
ただし、そのほとんどが住居の費用や元皇族としての品位の維持に使用されていると思われます。
税金は非課税
結婚一時金は非課税で、規定額満額がそのまま支払われます。
大幅な減額の可能性は
可能性としてはまず考えられません。
先にも記載したとおり、結婚一時金は主に国会議員で構成される皇室経済会議の承認を得て決定されます。
仮に、皇室経済会議内の誰かが一時金減額を提案しようものなら、多くの日本国民から責め立てられる事でしょう。※金額の提案自体は宮内庁が行う。
国会議員であれば、事務所や党に苦情が殺到する事は間違いなく、日常生活すらままならなくなるかもしれません。
そもそも、皇族に意見を言える人は皇室経済会議の中には存在していません。
※2020年7月現在のメンバー
実際に今までの一時金に関する皇室経済会議では、常に全員賛同で決定がなされています。
皇室経済会議議員 | |
衆議院議長 | 大島 理森 |
衆議院副議長 | 赤松 広隆 |
参議院議長 | 山東 昭子 |
参議院副議長 | 小川 敏夫 |
内閣総理大臣 | 安倍 晋三 |
財務大臣 | 麻生 太郎 |
宮内庁長官 | 西村 泰彦 |
会計検査院長 | 森田 祐司 |
結婚一時金辞退の可能性は?
その可能性はないと考えられます。
※眞子さまと小室さんは先例に倣わず辞退の意向を示されています。
まず、法律で定められていることがひとつ。
そして、将来的に「天皇の姉」となることが決定している眞子さまが、一時金がない状態で民間人となられた場合には、品位や安全に関して大きな問題を生み出してしまいます。
仮に普通の賃貸マンションに居住した場合、テロリストや犯罪者の格好の標的になってしまうかもしれません。
国や宮内庁がそのような選択肢を認めることは、まず考えられません。
※2021/09/26 追記 小室圭さんとの2021年内での結婚に際して、一時金の辞退か受け取った後に公的機関への寄付を行う意向のようです。
結婚後は米国で生活されるとのこと。
最後に

1億5250万円という数字は大きな金額に思えますが、仮に数十年で分割すると1年あたりはそれほど大きな金額にはなりません。
「セキュリティの完備された住まい」を考えた場合なら、家賃だけで消えてしまう金額ともいえます。
皇族の婚礼時には高額な一時金に対する批判が常につきまとうものですが、制限の多い皇族の方々の状況にも今一度目を向けてみるべきなのかもしれません。